誰が悪いでもなく不幸な連続で引き起こされた事故。やりきれない思いと正解の分からない問いへ向き合う時間がとても重かった。全編を通してBGMが流れているシーンはほとんどないからか現実味が強くて、逃げ出したくなるような胸の痛みと衝撃があった。ただ終盤に向けて空白を少しずつ埋めていこうとする希望も見えて来る。特に最後の「空」と「白」に注目。
登場人物たちはみんな自分なりの正義を持っている。ただコミュニケーションが欠落していて、全てに矛盾がある。現代においても密なコミュニケーションを大切にしなければならないと思った。作中の絶妙な世界観を演じられる古田新太と松坂桃李の芝居が素晴らしい。それから不自然なまでに「正しさ」を追求する寺島しのぶの演技がとてもよかった。
