ナオキ

空白のナオキのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
3.5
騒ぎ立てて事を大きくするのはいつだって関係ない人達で本人達より大きく騒いでいる。
人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだ。
マスコミの誰も得しないねじ曲げられた真実を報道する様が描かれていた。

話自体が中学生の少女の万引き未遂事件と逃走中の不幸な交通事故というみんなが誰を攻めていいかハッキリしない話だ。
それを含めても登場人物がみんなそれぞれかなりキツイ。
添田が「娘は万引きをしていない」とひたすら騒いでいるのは、娘の事がよくわからない自分を責めているだけだし
青柳はひたすらごめんなさいと謝る以外の方法を知らない。
一番キツイのは草加部だ。
草加部が勝手に善意でしたつもりの事を青柳の為とひたすら言ってるところは見ててかなりキツイ。
関係ないマスコミと草加部がいなければここまでの悲劇にはならなかっただろう。

唯一強かったのは車でひいた女の子の母親だ。
一切の言い訳をせずに娘の責任は全て渡しが引き継ぎますと言っていた。
母は強し。

僕達には感情がある。
それを伝える言葉という手段がある。
添田と娘の事故の前も含めて、もっと早めに言葉にして話し合えばよかったと僕は思う。

交通事故というみんなが加害者、また被害者になりえる内容なので他人事では無い。
事故を起こさない事はもちろんだがもし起きてしまった時の事を考えさせられる内容だった。
ナオキ

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