郊外のお屋敷に住む専業主婦の生活と若くして支社社長の出来過ぎ夫
カラフルなワンピース、丁寧な夕食、丁寧にマニキュアを塗れる余裕のある贅沢なゆったりした生活を送るハンター
パーティでは支えてくれてる妻のおかげですなんて言ってくれる夫
側から見たら恵まれてる
出来すぎてる毎日
実態は
完璧な妻を求められ
自分と対等に向き合わない夫とその家族
ほぼ毎日誰とも会話せず ドールハウスに住まうかの様に生活する毎日
そこに訪れる妊娠と同時に現れる自傷癖
そこに 飲み込んで出す
というショッキングな設定とドラマティックな色彩設定がぐいぐい見てる側をひきこんでいく
義母に強制的に渡される自己啓発本に載ってる何か新しい事をしましょうという言葉が引き金となっているのか
どんどん新しくて大きなものをハンターは自身の中に取り込んでいく
取り返しのつかない不満と自己認識欲求を見て見ぬふりする様に 自分の中に飲み込んで排出していくのだ
とにかく 不安を煽る赤いフィルム
不安定な心理を代表する紫のワンピースと黄色い長靴のコントラスト
曇り空の向こうの虹
深いグリーンのシルクのパジャマなど
スタイリングのカラー、美術
神経にびりびりくるくらい美しい
辛くとも自身の原因と真っ向から向き合っていくハンターは美しい
ヘイリー・ベネットの美しく不思議な顔立ちもオープニングと最後とでは全く表情が変わっていて同じ人かと思うほど
救いとは自ら進まなければ救いはない
しかし 人間の根本的なものはすぐには変えられない
ただ少しずつの変化を頼りに 淡々と生きていく美しさという一瞬を見た