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VIDEOPHOBIAのumiのレビュー・感想・評価

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)
2.8
見られているという感覚が事故的に生じてしまったとき、人は顔でも変えるぐらいしかもうできない。治療をなしくずしに断っているという点で、この映画がこの映画であることがが生まれているのだと思う。認知の問題を治療しない、顔は変える、セックスはするというなかなかに潔ぎがいい行動をごくごく自然な流れとして撮る。

最後の手が誰の手だったかは考えるとおそろしいけど、見られているという出来事が自分を自分でみることに書き換えられたのちに、最後のそれでもぱっくり開いた隙のようなものとして残る畏怖が、性的なものと結び付けられているということだと受け取った。

大阪という地理自体を撮ろうとも目論まれていると思っていて、それはぜんぶ主人公がタバコを吸いながら川向うをみている時間に吸われている時間におもえて、空虚なでられなさがよく写っている。
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