ほにほにほ

スカイ・クロラ The Sky Crawlersのほにほにほのレビュー・感想・評価

4.0
押井の監督したアニメ映画の中ではそれほどだけど、それでも面白い。西尾鉄也のキャラデザは少し癖があるが、見てれば慣れる。俳優陣の下手な演技も、この映画の若者たちの歪さを考慮すると、却って合っているかも。それを示すかのように大人キャラを固める声優は皆「超」がつくほど上手い。
雲より下を飛んでいる時は、画面が全体にゲームみたいで少し気が抜けるけど、雲上になると途端に雰囲気が変わる。蒼空がどこまでも広がって、とてつもなく美しい。美しい空での空戦はこの手の映画のテーマだが、実写含めてもこれが一番好きだ。

押井節は少なめ、中盤に差し掛かったあたりのレストランくらいだけど、そこで一気に原作を含んだであろう物語の本質みたいなものを押井節でパッぱとやってしまう。この手際の良さが素晴らしい。

パト2のモニターの中の戦争と共通するような、ショーとしての戦争というテーマ。繰り返す日常というのはうる星2と共通するけど、この映画ではうる星2のように鐘は鳴らさないし、パト2のような暗さにも満ちてない。かといって楽観的でもない。このバランス感が押井自身の言う「円熟した」ということなのかも。
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