マッド・ハウスのグラのレビュー・感想・評価

共同体の思想を盲信し、疑うということがない。
いかなる思想であれ、人間の手によるものである以上、あらゆる人間にとって正しいことなどあり得ない。
その思想を強制するために手段を厭わない。
個人の自由、意思、人生を奪う事すら、思想教義の絶対性により正当化される。

日本の大手新興宗教団体Sと本質的に同じ。
騒音による安眠妨害、社会関係の孤立化、暴力団を用いた脅し、暴力行為。

劇中で2人の男が殺されますが、彼らは自分たちがまさか殺されるとは思っていなかった。
なぜなら彼らの行った行為は、彼らにとっては善行であり、正しい行いであったから。
しかし彼らは理解していなかった。
彼らの行為は対象者の心を殺人を犯させるまでに、既に追い詰めてしまっていたことに。