GODZILLASAURUS

マッド・ハウスのGODZILLASAURUSのレビュー・感想・評価

マッド・ハウス(2019年製作の映画)
2.5
「カルト宗教的」

ネタバレあり


カルト宗教的にマインドコントロールで謎の共同体へ強制参加させられるお話。
物質主義やオフラインにおける人間関係の希薄化に対するアンチテーゼっぽくもあるし、共産主義的な見方もできる。

創始者がヤバそうな思想から共同体を作り人類と世界を救おうとしている設定は個人的には好き。
共同体における4つの基本、無私、心の開放、受容、監視。これも割と絶妙な設定で好みだった。どれも実社会で無意識に行われていたりするから怖いことでもある。
釘打ちつけもなかなかの痛そうなシーンだった。

設定は面白いが、残念ポイントも多い。
アパートの共同体の実態が分かりにく。アパート単位で共同体として成り立たせつつ、どのように共同体を拡充していきたいのか? 創始者先生の教えは、世界中の人を助けることにあるが、そこに目が向かないのか? これに対する説明はほぼない。 創始者先生の話がもう少し管理人から話されても良かった気もする。

共同体としてのアパートが狭く、住人達は普段どのような役割が与えられて働いているのか、数名を除いて描写がなく残念。自分の使命や仕事があるからこそ共同体に属する意義があるだろうから、日常の描写は大事ではないか。

主人公の友達を次のターゲットとして呼び込むのが早すぎる。マインドコントロールされても、最初の何年かは共同体を全面的に受け入れられていないことが数名のセリフからわかるが、主人公が共同体に入れてすぐに友達を呼び込んだら何かしら不具合が生じそうなことは、コントロールする側は経験上わかる気がするが、これはお粗末だった。

カメラ監視室を監視するカメラがあるシーンでは、なにかしらアパート共同体の後ろに他のモノがいることが示唆されるが、ラストにそれが伏線として回収されているのは良かった。ただ、その地域一帯が同じ不動産屋=創始者が設立したと思われる団体で管理されているという設定は、少々オチとしては弱いかな。
星2.5
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