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護られなかった者たちへのmondayflyerのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
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【初】
駄目だよ。
だって感情移入しちゃったもの。
それも、かなり早い段階で。
良いとか、悪いとか、面白いとか、つまらないとかというより心が揺れてしまった。
佐藤健って、こんなにいい役者だったんだ。
清原果耶って、こんなにいい女優だったんだ。
阿部寛もいい。どこかの阿部寛っぽいけど。瑛太も緒形直人もイヤな奴っぷりがハマってたし、倍賞美津子の衰弱ぶりも、吉岡秀隆の軟弱っぷりも、子役の女の子の真っ直ぐな演技も良かった。

この映画の背景にあるのは3.11で知られる大震災。
描かれているテーマもまた重いもの。
明確な善悪というのは出てこないけど、
だからこそ考えられさせる、というよりも心がグラついてしまった。
登場人物の一人が言う。誰を憎めばいいかわからないと。怒りとか、悲しみを誰かに、何かに、ぶつけないと先に進めない時もあるに違いないのに、辛いよね。

タイトルにある護られなかった者達へ、について語られる場面や、ラストシーンで明かされるちょっとした真実が少しは救いになるのかも。

うまいこと言えて無いけど、一発食らって痛みがじんわりと広がっていく感じ。でもひとことで言えば、いい映画だと思う。
点数はとてもつけられない。
つけちゃいけない。
少なくとも自分にとっては、そういう作品だった。
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