ドンキーホーグ

PIG ピッグのドンキーホーグのネタバレレビュー・内容・結末

PIG ピッグ(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

愛を探して。

いつものニコラス・ケイジものかと思って見るとびっくりする。(ジャケだけ見ると、ジョン・ウィックみたいな話に見える)

借金返済のために映画に出まくっていたニコラス・ケイジだが、酷い出来の映画も多い中で、たまに本当に素晴らしい映画がある。本作もその1つ。

いつもオーバーアクティングというか、コテコテの演技をするので、あまり演技がうまくないような印象すらあるが、本作のような抑えた演技をさせると実力派なのだと分かる。

監督・脚本も素晴らしい。素晴らしい監督とニコラス・ケイジの組み合わせ…そうMANDYと同じパターンだ。
本作の、抑えたライティング、寒色を基調とした色構成と、シネマトグラフィーには非の打ち所がない。
なんと言っても展開、脚本が素晴らしい。どうなるのか予想もつかず見事にハマった。

嗅覚・味覚は、視覚・聴覚よりも鮮明かつ激しく記憶を蘇らせる事がある。これは誰しも経験があると思う。忘れていた思い出や印象深い1場面が、思い出そうという努力抜きに、ほぼ自動的に頭の中に立ち上がる。
これが話の肝として効いてくる。
主人公が引退した伝説の料理人(なんてユニークな設定なんだ)という設定がこれ程まで生きている脚本もないだろう。
トリュフ探し、豚。

久しぶりにマジでいい映画を見た。

(つい最近、ザ・メニューという映画を見たばかりだったので、「食事」・「料理」という当たり前の生活行動に対して興味を掻き立てられつつある。)