「おいしい家族」をみたときにも思ったのですが、すごく温かくって丸ごと肯定してくれるような描き方が本当に好きだなぁと思いました。
6人の高校生がメインで、主役はえんを演じた松本穂香。
その他の若手俳優さんに関しても、どこかしらの映画で見かけたことあるな…な感じのフレッシュさですが、みなさん演技うまくってぴったりハマってたのが素敵でした。
みんな自分なりに何かを抱え込んでいて、親との関係がうまくいかなかったり恋愛に思い悩んだり。抱え込むことの大小はあるけれど、そのどれもを彼ら彼女たちは隠しながら生活している。
父親を殺してしまった男子高校生だって、その殺してしまう瞬間までは普通に生活していたはずで、自分たちとさして変わらなかったはず。
何がどうして歯車を壊してしまったのかは分からないけれど、でもそんな殺人を犯してしまった青年に対しても「頑張ったね」と言ってくれてるような…そんなブルーハーツの歌唱シーンと業平くんの「がんばれ」でした。
どんな人だろうと、普通の生活を送っていたのだろうし、自分たちと異なる部分もあるけれど、そういった意味では「完全異常」な人なんていなくって、誰しも自分の延長線上(もしかしたら凄い遥か先の延長線上かもしれないけど)にいるんだよね…というところに温かさを感じました。
異常と切り離すのは簡単だけど、その人個人の状況に思いを馳せる…みたいな。
何もしなくたって、勇気を出さなくたって生きてはいけるけれど、何か一歩踏み出せば違う景色が見えるのかもしれない。
いつ自分の世界が始まるかわからないってワクワク感もありつつ、でも動かない限り地元に根付いて生きていくんだろうなという閉塞感もありつつ。
誰とどこでどう出会うかって大事だなぁと思うし、「君が世界のはじまり」って凄い素敵な言葉だなぁと思いました。
