イチロヲ

3年目の浮気のイチロヲのレビュー・感想・評価

3年目の浮気(1983年製作の映画)
3.0
結婚生活3年目に突入した夫人(門万里子)が、夫(阿部雅彦)に接触する奇妙な女(林亜里沙)を察知すると同時に、自身もまた浮気遊びを始めてしまう。若い夫婦の危機的状況を喜劇タッチに描いている、日活ロマンポルノ。

夫と浮気相手の女は、人形メーカーの同僚という設定。「人形の久月」が撮影場所を提供しているのだが、おそらくロマンポルノの撮影とは知らされていない状況であると思われる。また、「藤波 対 長州」の名勝負数え唄が、テレビに映るところも興味深い。

登場人物では、隣人の淫蕩夫人(朝比奈順子)が魅力満点であり、若い夫婦の痴話喧嘩を「他愛のない児戯」として眺めていく。そして、夫の浮気相手が、いわゆる「性の探求者」であり、マンガチックな奇行を見せてくれる。

この内容ならば、夫を奪い取ろうとする女の行動をフィーチャーして、サイコパス系のコメディに仕立て上げたほうが良かったかも。人形に呪詛を掛けているような素振りを見せる場面が最高潮なだけに、テンションの降下が心惜しい。
イチロヲ

イチロヲ