エマ

恋する寄生虫のエマのレビュー・感想・評価

恋する寄生虫(2021年製作の映画)
4.1
かなり評価ヒクヒクだから心配してたけど、全然好きな部類だった。
確かに「リアル恋愛映画」を想像すると痛い目見るかも。あくまでもファンタジー要素が強いことは否めない。少し説明不足な部分も見受けられるし。
ただ、説明不足は無駄な部分を削ぎ落とした結果な気がするし、とにかく世界観を論理だけでなく心で感じてくれという事なのだろう。

寄生虫に関しては自分もこのストーリーと似通ったことを考えたことがあって、とても興味深かった。
「この気持ちは本当に自分のものか」という問いは結構浮かんでくる時あるよね。
そして好きな人がいたり、その人を愛おしく思う気持ちがあっても、生物学的合理に当てはめてしまうことって結構ある。
「自分は性的欲求に囚われているのではないか」とか「私は物理的大きさに強さを感じて高身長な人を選んでいるのではないか」みたいなね。寄生虫が人の意志をコントロールするっていうのもあながち嘘八百ではないと思う。実際人のストレス数値みたいなのが腸内環境(腸内細菌の状態)によって変化するみたいなのも最近明らかになってきてるし。
ただ「嘘でもいい」って言葉がとても強みに溢れてるし(小松菜奈の素晴らしい演技力も相まって)、「虫がいるのは脳でしょ?」って言葉は人の「気持ち・感情、つまり心」を司るのが、脳なのか心臓なのかっていう医学的哲学も彷彿とさせる。
「なんだよファンタジーじゃん」って捉え方だと下らなく思えてしまう映画かもしれないけど、「伝えたい言葉・世界」を掴もうとすればこの作品が良いものと確信できると自分は思う。

何よりも林くんと小松菜奈は大好きな2人だっただけにとてもとても幸せな時間だった。
エマ

エマ