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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのfukoのレビュー・感想・評価

3.5
人の言葉ではなく、自分の言葉で伝えよう。教養を身につけて内面的に深みのある人間になりたい、と強く思わされた作品。

「愛とは完全性に対する欲望と追求である」(プラトン「饗宴」)
「自分を欺いて始まり、他人を欺いて終わる。それが恋愛だ。」(オスカー・ワイルド)
など、偉人による数々の名言が散りばめられていた本作。そのどれもが浮くことなく、自然に物語のなかで生きており感心。思わず停止ボタンを押して思索に耽ってしまった。

またLGBTQやアジア系移民等のマイノリティと、マジョリティとの間に存在する深い溝(マイノリティへの差別、偏見)や、スクールカーストなど「イマドキ」の社会問題を映した本作。最近やたらと「多様性」に「向き合った」作品が多く作られているが、この映画に関しては、製作陣による丁寧な作品づくりによるものか、それらを描くことは必要な要素だと感じた。
社会問題に真摯に向き合っている作品は、どれも好きです。
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