『いま約束を結ぶのは、誰かと叶える夢のため』
東京を舞台に個性豊かなガールズバンドの活躍を描いたテレビアニメ「バンドリ！」の劇場版は、作中で随一の人気と実力を誇るバンドの結成から結束までにスポットを当てるが、バンドリーマーズとの絆だけがストーリーテリングを成立させる青春音楽映画。
その辺のブラック企業どころではない頻度で解雇通告をされるストイックな環境はいいとしても、咀嚼してない劇パトみたいなテンポでバンドの音を失う挫折についていけないが、どんな形であれ集団創作がドツボにハマるとき特有の緊張感は表現されている。
劇映画としての拙さを声優が劇中のバンドを組むことによるコンテンツパワーでねじ伏せており、エモポイントをそのまま情報として叩きつけるような台詞回しも癖になるのだが、会話に緩急をつけるとかボーカルの音量を調整するとかもっと演出できたはず。
