ちゃんまー

ヤクザと家族 The Familyのちゃんまーのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
5.0
【今年一の邦画かも…?】

ヤクザ映画が好きなのですが、ただのヤクザ映画じゃない。

現代社会の問題を浮き彫りにする超社会派作品!「新聞記者」の藤井道人監督ならではって感じです。

1999年
親を亡くして、行き場を失った山本賢治は柴崎組の組長に拾われてヤクザの世界に足を踏み入れます。親分の温かみを感じ、次第に家族の存在へとなっていきます。

2005年
世の中が少しずつ変わっている中で、他の組との縄張り争いから抗争へと発展しそうになり、けんぼうは家族のために立ち上がり、ある事件を起こして刑務所へ。懲役14年。

2019年
刑務所から出ると大きく世の中は変化してしました。暴力団排除条例によって反社会勢力は排除される存在へとなって、組は縮小してました。反社の人は携帯も買えず、家も借りられず、保険も入れず、生きていくのが精一杯な世の中になってました。また、ヤクザを辞めても5年間はヤクザと同じ扱いで、社会的に徹底的に排除され人間として扱われなくなります。そんな彼らの人生の物語。

ヤクザの話に落とし込まれているけど、今の生きづらい世の中を現した作品だと思いました。性的マイノリティや犯罪を犯した人たち、一度大きな失敗をしたマイノリティの人たちにも通じる物語だと思います。

もちろんヤクザが良いというわけではないのですが、彼らも愛する人がいて、家族を愛したりする一人な人間なわけであって、そんな彼らが一度失敗をしたら社会は見捨てていいのかというとても難しい問題を考えさせられる作品です。