生態系の変化と共に淘汰され、絶滅危惧種となったヤクザの20年に及ぶ栄枯盛衰のクロニクル。異なる三つの時代を描いた構成は平成日本版ゴッドファーザーという感じで新鮮で中盤まではかなり面白い。終盤は些かウェットで自分は乗り損ねてしまいました。
時代の変遷が視覚的に認識できる撮影も見事ながら、何よりもヤクザ映画は「顔面」と「声」だと言わんばかりの俳優陣の円熟味のある演技が素晴らしい。綾野剛はキャリア史上最高だし、和製ドン・コルレオーネたる舘ひろしの貫禄に、鍛えあげられたマッスルに似合わぬリリィシュシュを取り戻した市原隼人、この間まで生活保護課で役所広司を突っぱねてた癖に自分がシャブ極道になっちゃう北村有起哉ほか脇を固めるキャスト陣も素晴らしかった
