トモキ

ヤクザと家族 The Familyのトモキのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
5.0
すばらしき世界が1つのフェーズのみに注目し主人公と世間をうまく対比させたのと違い、20年間を3つのフェーズにわけて時代を経て変わる暴力団排除の風潮と規制対応をうまくストーリーに織り交ぜていて見事。主人公が「俺たちには人権がないのか」と暴対本部の警察に言うと「お前らがこれまでにしてきたことからすれば当然だろう」と答える。「ヤクザの人権」という重いテーマ。寛容になれば甘いと世間に叩かれる以上、行政や司法は彼らに不寛容になるしかなく必死で足を洗った末端が少数派として影響を受ける。社会の網からこぼれ落ちた人を掬い取る受け皿としての機能を果たしてきた面もある中、社会が網の目を細かくすることなく暴対対策を推し進め不寛容を貫いても、法や裁判が機能することは絶対にない。いくら刑事裁判で処理しても根本は変わらない。全国民に見て欲しい。
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