前半の「これまでの義理と人情の任侠」と、後半の「人権を剥奪された反社」との対比が上手い構成になっていた。
けんぼうは、すごくヤクザの才能があったんだと思う。
闘争心、仲間への想いやり、曲がったことはしない信念。だから親分やアニキ達には可愛がられ子分からは慕われたんだろう。
けんぼうは古い世代の最後の一人。
翼は次の世代の最初の一人。
というふうにも見えた。
出所したけんぼうは本当に束の間の家族を手に入れ、自分と同じ古い世代を道連れにする。
だけど、けんぼうを思い出し語り継ぐものもまたいる。
途絶えてしまったものは「ヤクザ」
続いてゆくものは「家族」。