らうみー

あのこは貴族のらうみーのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.7
めちゃくちゃおもろい!
東京で貴族のような上流階級一家の三女として育った箱入り娘の『華子』と
富山の一般家庭から上京した『美紀』の2人が主人公。

『華子』は華子より数段上で別格な上流階級の『幸一郎』と互いの親族が推し進めたお見合いのような形式で出会い 婚約するが、幸一郎は「都合のいい女」として『美紀』とも以前から関わりを持っており、幸一郎を起点とした関係性をベースに華子と美紀2人の人生が絡み合ってくる。

登場人物は美紀以外ほとんど貴族のような人間で、一般人とはまた違った感覚を持っている。(悪い意味ではなく)
そこの魅せ方が上手で、一般人が普通に生きていたら知らない世界をリアルに覗いているような感覚になるので楽しい。

登場する『貴族』が『一般人』の人々と関わるシーンでは階級による会話のギャップを感じれて良い。

また、幸一郎と華子も一般人からすると同じ『貴族』だが
幸一郎の方が数段上の上流階級であるため、
『華子』と『幸一郎の一族』との間では
一般人が華子に対して感じたような感情を、華子から幸一郎の一族に対して感じているようで面白い。

そして一般人の生活が1番楽しそうに見える。。。
華子も美紀と関わっていく中でそう感じているようで、序盤は人形のようだった華子も終盤ではとても親近感が湧く人柄。

この映画に『悪役』的な人間は1人も出てこないように思えた。
生まれ育った環境によって形成された人格が、他の階級の人々とは噛み合わないだけ。