崔

キングダム・オブ・ヘブン ディレクターズ・カットの崔のレビュー・感想・評価

5.0
宗教は触っちゃいけない敏感な話題となって来る昨今、キリスト教とイスラム教の衝突をテーマとするのに非常に勇気が必要かと思われる。
リアルな中世の世界観、生き生きとした人物たち、歴史に忠実したストーリー、いずれもこのスコット監督の傑作を成り立たせてくれる。
神の名のもとに、私利私欲を満たすため残弱非道を繰り返す十字軍の本質が暴かれる一方、主人公バリアン、ボードゥアン4世など、優れた節操を持ち、他宗教に寛容的なキャラクターたちも描かれる。これはまさに現在でも見られる原理主義と世俗主義、過激派と穏健派、何百年経っても変わりのない宗教と人間社会のメカニズム。
宗教はいかにして国と人間を狂わせること、神様はエルサレムの神殿ではなく己の中にあること、この映画良く教えてくれる。
When you stand before God,you cannot say..."But I was told by others to do thus"or "that virtue was not convenient at the time". This will not suffice.
ボードゥアン4世のキャラがかっこ良すぎる!
崔