セツナ

トロイ  ディレクターズカットのセツナのレビュー・感想・評価

3.1
2021年鑑賞1本目。
レンタルDVDにて鑑賞。
叙事詩『イーリアス』に忠実な映像作品を求める人にはオススメしない作品。

パリスの審判のシーンが無いのでパリスが色狂いで己の欲望によって母国を戦乱に招く愚か者に見える。(あまり間違ってないかもしれないが……)パリスの情けなさばかりが目立ってしまっていた。あれでよくアキレスを射貫けたなと。
また、ヘレン(ヘレネー)への求婚のシーンが無いのでギリシャ側が苦もなく軍勢を集めたように見えるのも少し違和感。(ヘレネーの義父テュンダレオースは、彼らの中の誰を結婚相手に選んでも、それ以外の男たちの恨みを買う恐れがあるため、あらかじめ「誰が選ばれるにしても、その男が困難な状況に陥った場合には、全員がその男を助ける」という約束をさせ、彼らの中からメネラオスを選んだ。)
他にもあるが、『イーリアス』をあまり知らないので割愛。

最大の違和感は何だろうとモヤモヤしながら映画を見進めていてようやく言葉に出来たのが以下だった。

神様との距離が近い時代のはずなのに神様が不在かの如く物語が進んでいくこと。(直接登場はほとんどない)

人間臭さが脚色されすぎててよくわからない。

結局主人公が誰なのかよく分からない。
トロイ側な気もするし、アキレスな気もする。もしかしたら誰もが主人公ではなかったというオチなのかもしれない。
感情移入するキャラクターが不在のまま進んでいた。
セツナ

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