エマ

Summer of 85のエマのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
4.2
やっぱりフランスの映画って好きだなぁ。

「他の人とも遊びたい」とか「愛していたのはあなたが作り出していた幻想」とか、愛と哲学が深く結びついているのがフランス映画だとよく分かる。大体恋愛映画って「浮気クソ」「永遠の愛は美しく素晴らしい」という既存の愛のプロットで語られることが多いので。そういうのに飽きてる部分もあるのかもしれないけど、恋愛観を広げてくれるような映画はとても好きです。
あとシンプルにフランス語の発音感とかが好き。

アレックス役の俳優さん、少しレオナルド・ディカプリオの若い頃に似てる。甘めのレオって感じ。
画質がとても85年って感じで良かった。こういう系の映画って「言うても最新の映画だなぁ」ってなるんだけど、昔を感じられました(85年まだ生まれてないけど笑)。

墓の上で踊るシーンなんかいいなぁ。熱い。熱を感じられる。
「僕も変わっていく」みたいなのも素敵な言葉だと思う。やっぱり人間って一緒にいる人と共に自分を形成していくし、影響を受けたりもするし。その人といる時の自分は、その人とのだけのものというか、関わる人の数だけ自分がいるみたいな。
だから「変わる」ことは悪くないと思う。なぜなら、その時の自分はその人と共に大切につくりあげた自分だから。むしろ変わらないことの方が失礼なのではないか。そう思った。
あとこの映画の中で、わざとらしいくらいセックスのシーンが省略されてる感じがするんだけど、強いてそれを示唆しているように思えたのはクラブでヘッドフォンをしてみんなと違う曲を聴くシーン。「これってセックスっぽいなぁ」と感じた。周りがうるさい音楽に身を任せている中、自分だけは違うゆったりとした音楽(リズム)を聴いていて、独りよがりなんだけどそのヘッドフォンを渡してくれたのは目の前にいる彼で。真の2人だけの時間。2人だけのリズム。開かれた場所なのにとても閉鎖的。これは「セックス」じゃないか?
フランス語勉強して監督に聞いてみたいな笑
エマ

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