──あと印象に残っているのが、物語のキーとなる別れのシーンです。二人が口論になり、ダヴィドは「君の望みは僕を独占すること」と言って、一筋の涙を流しますよね。彼はそれまで飄々としていて、感情を見せなかっただけにハッとしたんですが、あの涙はシナリオに書かれていたことだったんでしょうか?
バンジャマン ……いや、僕の心がそこで反応したんです。
──即興だったんですね! フェリックスさんは、その涙を現場で見ていてどう思いましたか?
フェリックス そのときのことはよく覚えていて、「わぁ、すっごい俳優だなぁ」と(笑)。それに、バンジャマン自身の人間性もすごく感じました。ダヴィドみたいに謎めいていて、斜に構えた役を演じながら、彼自身の繊細な感受性もパッと出せる。「僕もこれからこういう風に演じていきたい」と思い、役者として栄養をもらいました。
記事読んでたら気になってたとこについて話していたのでメモ