あゆは

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のあゆはのレビュー・感想・評価

4.0
囚人達のワークショップ講師としてやってきたエチエンヌ。彼はサミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を演目に決め、難ありの囚人達と限られた時間・環境のなか半年後の刑務所外公演を目指し練習に励む。ステージは反響を呼び、やがて大舞台でのオファーがやってくるが…

はじめはふざけてバカにしつつも、やがて演技にのめり込んでいった囚人達のステージは鳥肌モンでした!!!!あの長台詞すご…ッ!
「ゴドーを待ちながら」は悲喜劇であり不条理演劇の代表作(らしい)ということで、ストーリーはよく分からない。ただ、何人かの男たちがゴドーという人物を待つだけ、それだけ。何がある訳でもないが、囚人たちは「待つ」に関してはそこらの役者よりもリアルに体感しており、役にハマった瞬間がお見事。

しかし演技がどんなに輝いても、拍手喝采のカーテンコールの後には屈辱的な身体検査が待っているし、被害者の存在を思うと幸せな気分では観ていられない。。そして結末。。予想を超えてきたのはそのマトメっぷり。だからこそ完成した感。これが実話だってのがなんと完成度の高い文学か…まさに事実は小説より奇なり。
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