柏エシディシ

殺人捜査線の柏エシディシのレビュー・感想・評価

殺人捜査線(1958年製作の映画)
3.0
Strangerさん「ぶっ放せ!ドン・シーゲル セレクション」にて。
クリント・イーストウッド、サム・ペキンパーの師匠筋としてのドン・シーゲル。
その一切の無駄の無いソリッドな演出力が実感出来るクライムドラマ。
先ずは開幕直後、事件の発端が披露される一連のスピード感に一気に引き込まれる。
その後登場する刑事コンビや周辺人物たちも余計な説明や描写は拝して手際良く捌かれていく。ノーストレス。
出色は追われる犯人コンビ(+運転手)の造形。
殺した男の末期の言葉をメモする老獪な男がいい味で、その意外なオチも可笑しい。
冒頭のカークラッシュにも驚いたが、なんと言ってもクライマックスのカーチェイス。
1958年という時代を考えれば、かなり大胆な撮影そしてスタントのドライビングテクニックではないだろうか。
ドン・シーゲル作品といえば1970年以降の仕事しか認識していなかったが、このキレ味は同年代のアメリカ映画でもなかなかお目にかかれないもので、ペキンパーをはじめ後年のアクション、バイオレンス映画の源流であると実感。
もっとドン・シーゲルを観なければ!
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