ゆず

カラミティのゆずのレビュー・感想・評価

カラミティ(2020年製作の映画)
4.0
『帰らざる河』(54)や、女性の主人公が素晴らしい『大砂塵』(54)が印象に残っている。ドリス・デイの『カラミティ・ジェーン』(53)はキッチュな感じがして面白かった。映画の流れとしては、女性は馬車の周りにいて座っている、男性は動いているという、二極を描いている。また、見た目も、女性は明るい色のスカートを履いていて、男性はモノトーンに近いものを着て帽子をかぶっているというふうに対照的なものにして、動く範囲の違いも性別を意識した。色使いも含めて参考にしたのが、鉄道のポスター。見た目に強い印象を与える映画を作りたかったので、印象派やナビ派の画法を取り入れて、光が入って色が押し寄せてくるような感じにした。アメリカの風景画も参考にした。
手前の方に紫色とか緑色を使い、奥の方は少し黄色を入れた色使いにすることで距離感を出そうとした。遠近感を出すために背景を霞ませるような空気遠近法は使わず、色使いによって表現するようにしている。本作の舞台となっているのはかなり高地で、標高が2500メートルとか3000メートルある。そうした地域を通っていくときの空気の透明感を、薄く青く見えている遠くの山によって表そうとした。
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