フランスでも、視聴意欲を削ぐ思想映画ばかりでなく、このレベルの娯楽作品もできるのかと楽しく見ました。説教臭いフェミニズム映画でなくてよかった。CG主流の世界的潮流の中で、デジタルでも手描きらしいのが心強くもあり、おフランスらしいセンスの良さを感じるデザインです。キャラもストーリーもわかりやすく魅力的で、実在の人物のイフストーリーという目の付け所もよい。ただ、前半がリアルなハードモードだったのが、後半が痛快さ優先のイージーモードになっており、ラストは全部解決してメデタシメデタシと来るとあまりの温度差に風邪をひきそうでした。貧しさに裏打ちされた妬みと嫉みのコミュニティを描きながら、それはないだろうと。
