ちゃんしん

2ハート/命という名の贈りもののちゃんしんのレビュー・感想・評価

4.5
この作品を観たことは、臓器移植について深く考えるよい機会になった。

誰もが、「自分が明日にも死んでしまう」とは思わないだろう…。
そんなことは全く考えることさえなく、明るく輝いた未来を夢見て毎日を過しているはずだ。
ただ、もし自分が事故などで脳死状態になったら…。
自分の夢見た未来はもうそこには存在しない。

日々、平穏な毎日の中で、そんな状態に陥ってしまうことは、なかなか想像することさえ難しいように感じてしまうが、もし、仮にそんな状態になったら、自分も臓器移植を出来ればしたいと思えるようになった…。
現実の自分はもう無理なんだけど…。

自分にはもう夢見た未来は存在しないけど、自分の臓器は誰かの未来の夢の手助けをすることは出来る。
相手は見ず知らずの他人ではあるが、その人の生命を救い、これからの人生を助け、繋がった夢の続きに寄りそうことが出来るなら、自分が誰かの為に出来る少しでも大きなことを最後に成し遂げられるように思う…。
自分の臓器が人の為になり、その人やその人の家族の為になり、多くの人の心を救うことに繋がるなら、その決断はあながち悪い選択ではないように感じる。

その時になれば自分の肉体や身内の肉体が切り刻まれることはなかなか苦痛なものとして感じるのは間違いないのだろうが、気持ち的に良いことを成し遂げたという想いも出てくる気がする…。

最終的には本人の意志が尊重され、それは絶対的なものだと思う。
そこは外せない。

ほんと深く考える、よい機会になった。
良作。
ちゃんしん

ちゃんしん