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もう終わりにしよう。のESRのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
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Covid-19のパンデミック渦中にある2020年9月に配信された、チャーリー・カウフマンによる問題作。

若い女性(役名Young woman)とその恋人ジェイクは、彼の両親に彼女を紹介するため吹雪の中車を走らせる。彼女の方はこの関係を終わりにしたいと思っていて――

最初の1時間は『ブレイキング・バッド』シリーズのトッド役でおなじみ、ジェシー・プレモンスと『チェルノブイリ』リュドミラ・イグナテンコ役が印象的なジェシー・バックリーの噛み合わない二人と、母親役トニ・コレットの怪演も相まって、シュールでヒリヒリする会話劇として最高。

その後の展開は終始「?」が浮かび、自分は何を観ているんだろうかと思いながらエンディングを迎えた。
モヤモヤした気持ちを抱えながら、何となくこういう話ではなかろうかという推察をもとに2回目を観て、レビューなどを読んで、ようやく腑に落ち、すると後半部分に対する見方もガラッと変わった。
その上でも、「じゃあその場面を観てて面白いの?」と問われると即座に「Yes」とは答えられず、この作品全体に対しての自分の評価には揺らぎがある(繰り返すが前半部は何度観ても最高)。

『ベター・コール・ソウル』各シーズンのエピソード1の冒頭で、老いたジミーの生活がモノクロで描かれる。
本作でも将来の(現在の?)ジェイクの生活の様子が細切れで挿入されるが、自分はそういう表現が好きみたいだ。それは何十年後の自分を見るような怖さもありながら、ある種の救いのようでもあるからかもしれない。
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