誰もMarkしてない作品に一発目レビュー
インド映画でミステリーは珍しいと思って鑑賞しました。

街の警察署で警部として働くラジェシュ。ある日訪れた女カスキーの「叔父が宝くじ詐欺で100万ドル盗まれた。一緒に犯人を捕まえてほしい」という訴えを、初めは面倒そうに受け流す。オレオレ詐欺や宝くじ詐欺などは日常茶飯事あちこちで起こっている上、手練の犯人達は足がかりを掴めないよう頻繁に拠点を変えたりするのだから、捕まえようがない。1人のじいさんの100万ドルに真面目に取り合っている暇はない。
しかし翌日、また現れたカスキーがハックしてきた犯人の情報はかなり正確だった。さらに情報をもとにある拠点を押さえた際、詐欺組織の大元まで辿り着けそうな手がかりを見つける。2人は次第に、協力して犯人を追うこととなる……

結果としては、ミステリー作品としては成り立っていない。
あらゆる謎を残したまま、唐突に終わる。
まあ、そういう意味では最高のミステリーなのだけど。
腑に落ちなさ半端ないです笑

あとアマプラの場合はガバガバ翻訳なので(機械翻訳？)、英語はまだしもヒンディー語はマジで汲み取れない。
そのせいで話の意味が分かってないのかなと思ったけど、唯一ググって見つけた英語のレビューでも「解決しないミステリー好きだったら見てみて」とあったので、やはりもとのストーリーがガバってる。

ここまで言っておいてなんだが映像は好きです。
カット繋ぎはおかしいところ結構あるけど、色合いとか雰囲気とか良かった。

話はまあ…って感じだけど、インド映画でミステリー作ってみたところとか雰囲気いいところとかで、監督の気持ちみたいのは伝わったので星3。

以下ネタバレ(？？)


カスキーがラジェシュを陥れたようだが、彼女が何者なのか、なぜそんなことをしたのか不明。別に彼女が得をすることもなさそうだし…
最強のハッカーが暇つぶしに庶民を助けるふりして弄ぶ…ってこと？
まあストーリー上「わからねえ…」みたいなところはたくさんあるので割愛。

途中、カスキーが同性愛者であることをほのめかすシーンがあったが(バーでレズカップルに言及するラジェシュに冷たい態度を取る、看護婦さんに急にキスをする)、何か監督なりに伝えたいことがあったのか？他に目立ったシーンもなく、妙に気になる。

ラジェシュの過去が語られるシーンがあるのだが惜しい。
7年付き合った女性がいたが、彼女の望む優雅な生活を送ることができないために別れたという。彼女が求めていたのはラジェシュとの楽しい日々ではなくお金だった。
捜査のため1人で遠出をした際に、ラジェシュは踏ん切りをつけるためか彼女に電話して「あんたは俺を7年間利用したんだ」と静かに怒りを伝えた。
なんかもう少し、違うカタのつけ方はなかったかなあとモヤった。このシーンでラジェシュには心の底から決別してほしかったから、怒りの感情はいらないと思ってしまった。怒っている点で、彼女への気持ちが捨てられていないのだなあと。カスキーに語るシーン含め好きなので、もうちょい、という感じ。

トータル、嫌いでは無いです。
インド映画なのにダンスシーンもギャグシーンもない。(シュールな笑いのシーンはあるけども)
だけどしっかり見てしまった。
カメラワークとか雰囲気とかが好みだったんだろうなあ。

パンジャーブのホテルのシーンでのラジェシュの耳のほじり方がまじでおじさん過ぎて好きです。
どうでもよいが。