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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のSGRのレビュー・感想・評価

4.2
H.E.Rの主題歌「Fight For You」から想像していた社会派エンパワーメント系というよりは、むしろ硬派な政治サスペンスだった。個人的には社会派エンパワーメント系の方が好みだけど、逆に言えば史実を客観的に描いているので日本人にもわかりやすい。改めて雑な扱いのビデオレンタルスルーなのは本当に惜しい作品だった。観るまで知らなかったけど実はジェシー・プレモンスが3番手で出演しているので、もし彼の役がマット・デイモンだったら白人スター至上主義の日本でも公開されていたんだろうか…とか思ってしまった。

ラキース・スタンフィールドが演じているということもあって尚更、ビルの姿は"否コンシャス系"ラッパーにも重なった。そういう意味でも奇しくも同じく劇場公開スルーされた『クイーン&スリム』にも通じるものがあったな。ラストの史実も痛烈に響く。。

そして改めてFBIクソという事がわかる。批判的な視点もあったとはいえ、フーヴァーは決して主人公として描かれるべき人ではないよとイーストウッドへの拒否感が今さら。

とにかくダニエル・カルーヤは助演男優賞受賞は納得の演技。そしてなぜか助演男優賞にノミネートされたラキース・スタンフィールドは明らかに主演として素晴らしかった。あとハンプトンの妻役の役者、「モダン・ラブ」S2でもとっても良くて今後注目。
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