『力だ、力とは民衆だ』
FBIに減刑と引き換えにブラックパンサー党へのスパイ潜入を命じられたビルは、副議長ハンプトンのカリスマ性と任務との間で葛藤に揺れ…というお話
なるほど、ダニエル・カルーヤがなかなかの名演でした
先日ネトフリのブラックミラーで観たばっかりだったんですけど、役作りでかなり体大きくしてて驚きました
こういう史実の映画化はかなり作り手の主観が入るので、公式見解がない以上、真相はどうかが分からないところに注意が必要
本当に理解したいなら文献を読んでしっかり勉強しなければなりません
だから迂闊に善悪、成否、白黒をつけ難いのがこういう映画の特徴だと思っています
あれほど悪辣な権力構造の中で虐げられる黒人社会というのも、もうかなりの数の映画で観ましたしね
ブラックパンサー党がちょっと他の黒人差別の犠牲者と違うのは、恐らく共産主義に傾倒していた所と暴力的革命を指導した武装組織であったことなんだと思います
普通にヤバいヤツらですやん
そんな組織の発端も国側の暴力だ、と言われればそれはもうそんなものニワトリが先か、卵が先か、という話なんで…
少なくとも、こんな人達がい"たらしく"て、こんなことをしてた"らしい"、という点では感慨深いものがあります
エピローグで明かされる、ある意味では一番の犠牲者の顛末が一番ショッキングでした