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いとみちのpenのネタバレレビュー・内容・結末

いとみち(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

訛りのない言葉で話す父親と訛りの濃い言葉の祖母と主人公いとが会話をする食卓での会話シーンがなんか素敵で、それで良いなと思った。
もの凄く優れた朝ドラの、上京する前の故郷で過ごす日々を描いたエピソードを観ているようで、とても良い。

いとは高校に通っているからという理由で地元の青森にいるが、いとの周辺には様々な理由からそこにいる人が出てくる。いとの父親のように自ら選択して残っている人がいる一方で、ここしか居場所が無い、ここに居ざるをえない人もいる。そうした人達にとって、いとが働くことになるメイド喫茶は最後の居場所になる。
それが無くなりそうになる危機が訪れ、いとを始めとした仲間たちが奮起する。
これはいとが自分が自分でいられる居場所を見つけるまでの映画であると同時に、それぞれが大事にしたい、楽しいことが出来る居場所を守る為に頑張ろうとする映画だと思う。そしてそういう人たちをいつの間にか応援していた自分がいた。
他にも、事情を抱えた者同士が絆を深めて連帯を強めていくのを描いているのも良かった。いとと、その友達が特に良い。

津軽三味線の演奏場面は基本長回しつつカット割った時がカッコよくて痺れた。切れ味鋭くエモーショナル。最高。
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