このドラマの中で、死は誰にも平等に、唐突に訪れる。湯浅版はその死の描き方が容赦ない。そうだな、例えるなら吉村昭か。
これは地震映画でもパニックものでもない。困難に抗い、歩みを進める、勇気を信じる人間の物語である。これは困難な時代を生きる日本人への、いや国籍を超えた「日本人たち」への大いなる応援歌である。「日本沈没」は湯浅版では大いなるフリにすぎない。
何があっても、前へ進むのよ。
この映画をナショナリズムと結びつけて批判してる感想をちょくちょく見かけるけど、はぁ?って感じ。今まで描かれてきた「日本沈没」の中で、「ナショナリズム」から最も遠い作品だろ、これ。