がぶりえる

ザ・フラッシュのがぶりえるのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
3.9
「またマルチバースネタか...」と思いながら見はじめたので、今までにない展開を期待していたが、結果的に良くも悪くも普通のマルチバース映画だった。

「スパイダーマンNWH」「スパイダーマンアクロス・ザ・スパイダーバース」「ドクター・ストレンジMOM」等々、昨今のアメコミ映画のトレンドといえばマルチバース。まあ、流行る理由はよく分かる。マルチバース設定を使えば、ファンが喜ぶ過去作キャラを登場させられるし、過去作キャラを出すことでシリーズ過去作品への人気の火を再燃させられるし、時間軸をいじくり回せば自由にタイムトラベルできるし、色々映画的に都合の良い設定だ。長いスパンで、連続した作品を打ち出してファンを増やし、それを最後にまとめて総仕上げするのにマルチバースは便利な設定だ。

そう考えると、単体でマルチバースを成立させて、2時間半でカタをつけた「エブリシングエブリウェアオールアットワンス」はすごいと思う。オスカーまで獲っちゃったし。それに、「エブエブ」で描かれてることがマルチバース映画の全てだと思う。人間ドラマとしてのラストの締めくくり方は、あれ以外ないと思うし、まさに本作「フラッシュ」も「エブエブ」と同じ着地点だった。

じゃあ、他のマルチバース映画と差別化を図るために必要な要素は何かといえば、アクションだろう。アクションの新しさで勝負するしかないと思う。「フラッシュ」のアクションは結構好みだった。DCらしい、光線が画面を縦横無尽に駆ける派手なアクションと、MARVELよりも神性の強い、スーパーガールをはじめとするキャラが大暴れする戦闘シーンはやはり童心をくすぐられる素晴らしいものだった。最近の「シャザム」や「アクアマン」に始まった「楽しいDC作品」路線が本作でも遺憾なく発揮されてて、見てて楽しいアクションだった。

あと、絶対に語らねばならないのは、サッシャ・カジェ。あの子は何者なんだ!?あのカッコ良さとオーラたるや。いきなり出てきてスターの風格。次はどんな作品のどんな役で出会えるだろう。楽しみだ。