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ブロンド・ヴィナスのdiesixxのレビュー・感想・評価

ブロンド・ヴィナス(1932年製作の映画)
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クライテリオンのBlu-rayにて観賞。
結婚を機にステージ歌手を引退し、夫と息子を愛しながら慎ましく暮らす妻。しかし夫は病魔に蝕まれており、莫大な治療費を払うためにステージに復帰。たちまち金持ちのケイリー・グラントにみそめられ、夫と愛人の間で揺れ動く。
夫との馴れ初めは冒頭に描かれるが、湖の水浴びを覗き見した上に、湖から出られない弱みにつけ込んでデートを迫るの最低過ぎて笑った。しかし、オープニングの水浴びシーンの美しさはなかなかのもの。ヘイズコード適用前のハリウッドのエロティシズムを感じられる。
ゴリラの着ぐるみからディートリヒが出てくる驚きの演出。これは『バーバレラ』オープニングの元ネタなのかな。
基本的に息子への情愛がモチベーションとなり、エモーションの原動力となる。スタンバーグは、いつもここぞというところで顔のクローズアップを用いるが、この映画は一連のディートリヒ作品の中でも最もうつくしいクローズアップが刻まれた作品と言えるだろう。
それにしても両親の馴れ初めと初キスを寝物語にせがみ、しかも割と正確に暗記している息子はまあまあキモい笑

ディートリヒのら美しさに夢中なあまり、男性側が疎かになりがちだが、この作品でのケイリー・グラントはさすがのセクシーさ!
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