風来のリヨナ

ラリー スマホの中に棲むモノ/カムプレイの風来のリヨナのレビュー・感想・評価

4.6
これはラリー(ビカビカ)

言葉が不自由なためスマホの単語アプリで会話してる少年オリヴァーくん。ある日、ふとスマホを見ると不思議な絵本のような物が表示されている。それは ”ラリー” という名の孤独な怪物の話で、曰く「友達を欲している」とかそういう内容…しかし以降、明らかに見えない何かが周辺に取り巻いていてなんかヤバいぞ…。

そんな微妙に誰にも助けを求められない中で、ママが変に気を利かせて「友達作ろう!」とイジメっ子たちを家に招いちゃった!…ラリーが動き出す…みたいな。



孤独を抱えた子供の元に現れる、孤独の怪物ラリーとそれに脅かされる家族のホラー!完全に良作。ザ・良作。
人を殺さなくても怖いものは撮れるというお手本のような出来で、邦題に冠するスマホ・タブレットを用いた演出は勿論、その他小道具を活かしたホラーがめちゃめちゃ光り輝いてます。ウィジャ盤めく単語アプリ好き。

化け物は有りがちと言えば有りがちの生っ白い、ぬぺっとした奴ではあるんですけど、な、長い…四肢がちょうど嫌な長さ…これが彼の性質も相まって普通にすげ〜怖いんです!また、お話についても、親の失敗の積み重ねという部分が前面にありつつ、対話を拒んでいたオリヴァー自身の失敗という側面が良く絡んでいて、しっとりとした…よかったのかな…という後味で超絶好み。

奥から電気が消える演出フェチなんですけど、本作は様々なそれがたっぷり接種出来るのもポイントが高かったです。これはね!オススメ!みんな観よう!!

個人的に気に入ったのは、虚空メイクアプリのキモさ、暗くなっていく走行描写、目を見るとこです。
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