おひるね

学園広場のおひるねのレビュー・感想・評価

学園広場(1963年製作の映画)
3.7
昔の映画はどうしても堅苦しかったりテーマに感情移入できなそうというイメージで避けてきたが、この映画はコメディ色の強い映画だったので楽しめた。
昭和の邦画は初めて見たけど、面白かった。
白黒ではなくカラーというだけでかなり親近感が持てるんだな。

以下、印象に残ったシーン。

アニメとかでよくある、ゴミ箱とかの中に隠れながらコソコソ移動するシーンが、今作では既に登場していて、こんなに昔からある表現だったのかと驚いた。

学生服に下駄を履いてる男子生徒がいたので、1960年代で田舎の方だし普通のことなのかと思ったら、他の生徒はスニーカーを履いていた。その男子生徒は身長が低いことを気にして、背を高く見せるために下駄を履いていたのだとわかり面白かった。

女子生徒の父親が、子供のボーイフレンドと話して「私は案外進歩的なんだ」「男女は平等であらにゃいかん」と言った直後に、母親が口を離さんだら「うるさい!君は黙っとれ」って言ってて、この当時からこういうギャグもあったのかと驚いた。この風刺と捉えられる描写が60年以上前に既にあったんだ。

当時の映像作品における合成の技術レベルを逆手に取って、笑いを取るシーンがあった。
すごく感心したので、これはぜひ実際に見て欲しい。アマプラだと開始52分くらいのシーン。
男性がバイクから飛び跳ねて、橋を跨いでまたバイクに着地する時に、空中を泳いだり、バイクに話しかけてバイクがそれに合わせて動いて、まるで意思を持った生き物のように描いてバイクが可愛く見えてくる演出まであった。
どことなくルパン三世を彷彿とした。
ここが一番笑った。

他にも色々新鮮に映るシーンが多く、見ていて面白かった。初めて昭和の邦画を見たけど、他の映画もまだ見てみたいな。
おひるね

おひるね