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シングルマンのsupermoonのレビュー・感想・評価

シングルマン(2009年製作の映画)
3.8
危うく、悲しく、そして美しい作品でした。

愛する人を失ったジョージ。
夫と別れたチャーリー。
ジョージの教え子でいつもロイスと連んでいるケニー…
皆共通して、恐怖を抱え苦しんでいる。

特にバーで語るケニーの人生観が、人間として当たり前であり悲しい事実を突きつけられた感じがして、こちらまでスンとなってしまいます。(ケニーの全てを見透かしたような瞳を見てキャスティングすご…!!と思いましたが笑)
私たち人間は、自分という決まった器の中でしか生きていくことができない。
夏の終わりというこの時期に観たからこそここまで心に沁みたのかな…

この作品は総じて悲しみ、喪失感に満ちているのに、描写も絵も、とても美しい。
途中で出会ったカルロスが言っていた「悲しいなりの美しさがある」というのが、この作品のテーマなのかなと思った。
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