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映画館にいく日のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

映画館にいく日(2020年製作の映画)
4.3
緊急事態宣言を受け、エンタテインメントの力で社会に勇気と希望を示すべく、様々なプロジェクトを進めてきた行定監督。感染拡大を防ぐステイホームを呼びかけるべく、映像制作プロダクション「ROBOT」と、ボランティア出演に名乗りを上げた豪華キャスト陣とタッグを組み、完全リモートで「A day in the home Series」を製作した。4~5月にYouTubeで配信した第1弾「きょうのできごと a day in the home」には、柄本佑、高良健吾、永山絢斗、アフロ(「MOROHA」)、浅香航大、有村が出演。第2弾「いまだったら言える気がする」では中井貴一、二階堂ふみ、アイナ・ジ・エンド(「BiSH」)らが顔をそろえ、大きな反響を呼んだ。両作品は現在、Huluで特別編として配信されている。
そして緊急事態宣言が解除され、人々も“新しい生活様式”と寄り添う現在。公開延期を余儀なくされていた行定監督の「劇場」は7月に配信と劇場で同時公開され、同じく延期されていた「窮鼠はチーズの夢を見る」も9月11日に劇場公開を控えるなど、映画界も徐々に活気を取り戻しつつある。この新たな波とともに、ショートムービープロジェクトも再始動し、第3弾「映画館にいく日」が完成した。
自粛期間中の会えない日々を経て、久々に待ち合わせ場所で集合したミヤコ(有村架純)と幸太朗(椎木知仁)。ふたりは再会を喜び合いながらも、ソーシャルディスタンスを保ちながら、念願の映画館へと向かう――。ふたりの目線や会話を通して、少しずつ戻っていく日常、しかし完全には戻らない日常、そんな中で温かく差しこむささやかな希望の光などを描き出す。鑑賞後にふと心が軽くなり、思わず映画館に行きたくなるような作品に仕上がった。
非常事態宣言が解除されても、コロナ下の生活習慣での生活は続くし、勤めている会社や自分の将来も不安だらけ。
それでも、今は大事な彼女がいて好きな映画を彼女と観られる。彼女とソーシャルディスタンスを保っていても。
そんなリアル感のある普通のカップルの心情が、マット・デイモン主演作「オデッセイ」や「ビフォア・ナイト恋人までの距離」などの映画を絡めて描かれる。
ひだまりのようなほっこりする短編映画。
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