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映画 太陽の子のhatoのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
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日本で原子核爆弾を作ろうとした科学者の話。

結果的には作ってはいけないものだったかもしれないけれど、純粋に未来のエネルギーを変えられるかもしれないと研究に奔走する科学者には心打たれるものがあった。

そして研究を進めながらも、「これは作ってもいいものなのか?」という兵器としての恐ろしさを一緒に感じることができた。

分野は違えど、同じ科学を扱っている人間として、その本質を考え直すきっかけになったかもしれない。

これが科学者目線の感想で、やっぱり戦争という視点での感想も残しておこう。

国のためにと自らの命を捧げていく日本兵たちにはやっぱり1ミリも共感ができない。

平和な時代に生まれたからというのもあるし、当時の人達がいたから今の時代があることも考えられるけれど、やっぱり戦争は狂ってる。

ずっとそう思っていて、それが中盤の三浦春馬さんの海辺のシーンに詰まっていた気がする。

怖くて怖くて仕方がないのに、国のために、未来のためにと自分にひたすら言い聞かせていたんだろうな。

とても苦しいシーンだった。

予告にもあるけれど、3人で「未来の話をしよう。」というシーンが大好きです。

今を生きるのが精一杯な時代に、こんな前向きな言葉を聞かせられて胸が熱くなるものがあった。

夏に観られてよかった作品です。
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