ラジオ子ちゃん

サン・セバスチャンへ、ようこそのラジオ子ちゃんのレビュー・感想・評価

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ウディアレンの"映画"の話をしませんか?と思う日々。

劇場で観られるありがたさと、相変わらず次の作品がフィルモグラフィーに示されている幸せ。
妻とフィルムフェスティバルに同行、ってお話が
立場は違えどワイルドマンブルースを彷彿とさせてニヤニヤ。
いつだって自立しているけどタイプは違う女性で揺らいできた。
悪女、として描くこともしない。
する方、される方、みたいなポジション分けもしない。
街と移ろいゆく気持ちが映画になっている。

ストレスで胸が苦しくなり、現地の医者を紹介してもらったらまさかの素敵なドクターで恋に落ちて、って話から
すでにドタバタが想像つくし、
案の定、妻に『回数券持ってんの?』って聞かれるほど無駄に病気を見繕って通う日々。
手に湿疹ができたって受診理由も、妻に『こんなの虫刺されでしょ』と言われ、
『いやいや、でも医者に診てもらいたいんだよ』と返せば知らん医者が登場して『私は医者です。どれどれ、確かにこれは虫刺されだ』って言われるやりとりなんてもう、ずっとやってて欲しいんだ……!!!

今作でウディが大好きな巨匠たちの作品のオマージュシーンをたくさん入れたせいで
まるで映画人生の総まとめにでも入ったのかと心配してしまった。
パンフレットには作中登場した9本の映画たちが紹介されていた。
市民ケーン、8 1/2、突然炎のごとく、男と女、勝手にしやがれ、仮面/ペルソナ、野いちご、皆殺しの天使、第七の封印

8 1/2 なんてスターダストメモリー作っちゃうくらい好きなことは知っていた。でも知っているだけで観たことはないから、
次の作品を観るまでのウディからの宿題としておこう。

爆笑問題太田さんとのスペシャル対談動画で
相変わらず一生満足していない、他者の評価で動いていないウディが垣間見える。
まさかのアニーホールの名シーンの裏側についても語られていて大変ありがたかった。