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愛のまなざしをのna坊のレビュー・感想・評価

愛のまなざしを(2020年製作の映画)
4.3
やや理屈っぽいかなとも思うが、グイグイ引き込まれるおもしろさ。幽霊映画でもありサイコサスペンスでもある。目に見えない事象、心の動き、人間が堕ちていく様を形として浮かび上がらせる手腕が見事。

杉野希妃と斉藤工のツーショットは画面に色気が充満し過ぎて"予感"がヤバい。このコンビの"予感"は杉野が監督した『欲動』(2014)に起因している。(杉野は本作でもプロデュースをしているが本当に多才だ。)そこで性愛を匂わせながら直接描写を回避したのは正解だと思う。だからこそ斉藤の地味な役柄で抑えた演技に垣間見える危険さが、この作品の鍵になっていたように思う。
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