愛のまなざしをの作品情報・感想・評価

「愛のまなざしを」に投稿された感想・評価

Terrra

Terrraの感想・評価

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filmex2020オープニング作品
舞台挨拶+Q&A
精神科医と亡き妻そして元患者…亡霊になってなお愛を渇望するほどにみな狂っていく。
所作の一つ一つまで監督が厳格な演出を行い、感情を込めるよりまず動きだったと演者が語る作品は、どこか古典的なルックを見せていて、自然と万田監督の過去作、増村保造、キム・ギヨンなどが想起される。
この地獄巡りツアーに参加した観客はいったいどこへ連れて行かれるのか、不穏さに耐えきれなくなるギリギリのところで、観客の目に最も近い斎藤工さんと片桐はいりさんの存在が押さえとなり危ういバランスを取ってくれていた。

このレビューはネタバレを含みます

あんなちょっと手伝ったものが有楽町のビッグスクリーンで流れていてびっくり。
いろんな見方があると思うけど、やっぱ普通に演出凄いな、と感じた。仲村トオルのギアの違う変わり方といい、緊張感をずっと続けさせる感じといい、レベルの高いところで闘ってる試合を見てる感じ。映画として凄いを超越して、決まり手の美しさをひたすら見させられるような体験。
個人的にはビル上の死ぬところがとで良かった。こんな編集で繋いでこられたら身震いしかしない。
K

Kの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

音楽のように構成されたアクション映画であり恐るべき幽霊映画。主題は反復・転調され、それと共にいくつもの関係性は複雑に絡み合い、人物の動線は縦へ横へと広がっていき空間を更に押し広げていく。亡霊を軸にした愛憎の歯車は回りだしたが最後、もはや誰にも止めることはできない。亡霊を呼び起こす"あのトンネル”にみるみるうちに飲み込まれ、”愛されざるもの”から遂に愛されるものになった彼女のあのまなざしは終映後も延々とまとわりついてくる。

『あのトンネル』の系譜にあり、『逃げ去る愛』以降の映画でありながらも、まるで『宇宙貨物船レムナント6』の宇宙ステーションかのような密室感、『SYNCHRONIZER』にあったようなユーモアも見られてとても楽しかった。長編万田映画の中で最もヌーヴェルヴァーグと増村保造に近いところにある映画だとも思う
ネット

ネットの感想・評価

3.0
映画で物語を語るときに、語りの経済効率を優先すること、古典的ハリウッド映画のような物語の速度だけを信じることへの不信が増した。企画的にも第二の『接吻』を杉野貴妃(今作のプロデューサー兼主演)は期待したのだろうか、しかし三人が集結しない今作はそれには到達できなかったように思う。『接吻』どうこう以前の問題だとも思う。やはり脚本が弱い…?
物語が閉鎖的であることが映画のためになってるとは思えなかった。そのフワフワとした実在感のなさが、終盤のかなり重要なシーンで劇場で起こってしまった笑いに繋がったのだと思う。自分には失笑のように聞こえてしまった。残念…
閉鎖した物語に新鮮な風を送り込むような息子とその友だちの存在も、主人公たちのドラマのためのツールとなる。
あと、映画の中のSNS描写は本当に危険なのだと再認識した。あれはさすがに…
菩薩

菩薩の感想・評価

2.0
骨子としては『接吻』と大差ない様な、同族意識から発展していく男女関係と、障壁となったそれを飛び越える為に用いられる狂気、手に対する着目。ただこの作品にはあちらの小池栄子の様な静かなる狂気が齎す緊張感が然程ないし、むしろ感情的に爆発していくただのめんどい男とめんどい女の痴話喧嘩に何を見せられているんだ…との気になるし、そこに亡霊と虚構とまでが参戦してくるせいで物語自体がふんわり卵とじ状態に。亡霊を殺そうと試みる人間と亡霊に殺される人間の中心点はあるし、斎藤工の第三者的な立ち位置や、『接吻』で小池とトヨエツの二人を隔てていた透明なアクリル板が今作ではソファーの背もたれに呼応していたりもするが、流石に物語として非常に弱いのでは。上映中二度連続して起きた「笑い」もおそらくは苦笑と呼ぶべきもので決して緊張と緩和の産物ではないと思う、少なくとも自分はこの作品に魅力を感じなかった。「父親の不在」を語らせる為だけに酷い渾名を付けられた息子の同級生が不憫でならない。愛は盲目とはよく言った物だが、この作品のまなざしが何処に向けられているのかまるで分からなかった。
tokio

tokioの感想・評価

3.8
Rec.
❶20.10.30,有楽町朝日ホール/東京フィルメックス2020(舞台挨拶:万田邦敏,仲村トオル,杉野希妃,中村ゆり,片桐はいり)
2020/10/30 東京フィルメックス→有楽町朝日ホールで鑑賞。