【今日観た映画「激怒」】
ラジオの映画評を聞いて観たくなり、わざわざ新宿武蔵野館まで足を運んで観てきました。
久しぶりに訪れた武蔵野館は落ち着いた雰囲気、清潔感ともに健在でした。上映作品に関連したディスプレイも楽しくてホントいい映画館。
作品の方は「言いたい事はよく伝わるのだけど、表現がそれに追いついてない」印象です。初監督作品なので仕方ないのかも知れませんが、学校や現場で経験を積んで最初から洗練された作品を撮る監督はいくらでもいるだけに、散見される稚拙さを見逃す理由にはなりません。パッションは確かに伝わるのですが、表現に工夫の余地はあると思います。
正義の名のもとに極端な秩序を要求する層は現実にもいますが、作中に描かれるそれは余りにも極端すぎてリアリティーが希薄な印象を抱いてしまいます。流石に自警団の行為はやり過ぎだろうし、警察公認で許されるのは無理があり過ぎると思う。
そういうリアル感のなさがどうも乗り切れなかった最大の原因でしょうか。
監督が抱える問題意識やそれこそ怒りはよく分かるし理解も出来る故に、題材に表現がついてきていないのは非常に勿体なく感じました。
暴力シーンのゴア描写や、最後の戦いで主人公が使用する武器?には爆笑しましたので、ジャンル映画としてはそこそこ楽しめました。音楽も閉塞感が上手く表現されていて素晴らしかったです。
評価 3.5点/5点満点