『丁寧に作られたスリラー映画』
とある離婚間際の夫婦が、離婚前最後の家族旅行として娘と息子とバカンスに出かける。ウェルカムドリンクで、もてなされた夫婦はホテルの支配人から秘密の美しいビーチへ案内される…みたいな映画。
アイデア一本でここまで設定を昇華し、突拍子もないアイデアのツッコミどころもできる限り理論的に説明できるように考えられており素晴らしい。
現代科学として、本当にそんなことあり得るかどうかは置いといて。
本編としては、序盤から美しい風景が映し出され綺麗なリゾートのホテルもあり、こんなところにバカンス行ってみたいなぁと思いつつも少し不穏な空気がそこかしこに感じられる。
息子のとある行動が最後に繋がってくるのだが、映画で見る子供ってこんな行動してるなーっていう感覚で見ていたので、最後にこの人そうだったわ!と繋がるのも楽しい。
演出としてもビーチでは特定の組み合わせにフォーカスされ、他の人物と合流するとシワが増えたりしていて自然な感じに歳をとっていく様がいい感じ。
おおよそ6歳の子供達が妊娠出産をするが、子供っぽいと言えば子供っぽい性知識だが、海外の子供達の6歳あたりの年齢の性知識ってそんなに色々知ってるものなのか…?と日本で育った身としては若干違和感を感じた。
それぞれ歳をとっていくにつれて、様子がおかしくなっていく人や、人生の終着点に向けて良い方向に進んでいく人など、自分が歳をとるにしても良い方向に進んでいきたいなと感じた。
そんなかでの、とある夫婦の最後はホラー過ぎて怖い。
そんなことありえる?と思いつつも、このレビューを書いている最近だと北海道で新種の鉱石が見つかったりと、地球のどこかにはもしかしたらこんなところがあるんじゃないかと思わせる演出が上手い。
黒幕側も単純な悪では無く、犠牲の上に人を救っているというところがまた考えさせられる。
何の説明もなく実験しているので悪なのは間違いないが。
クローズドサークル作品としては屈指の出来ではないだろうか。
サクッとみれて面白いシチュエーションスリラー映画でした。