Harumakiさん

ジョー・ベル ~心の旅~のHarumakiさんのネタバレレビュー・内容・結末

ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます



この映画は、同性愛への偏見や、世界の多様性について再確認させられる、実話に基づいて作られた作品です。
どうしていじめを行うのか、どうして理解しようと努力しないのか、作中で描かれる同性愛への偏見は本当にひどいものでした。
主人公であるジョー・べルの息子ジェイディンを思い、訴えかける姿はとても心に響きました。

●いくつもの“普通”。
ジェイディンが恋焦がれ、会話する姿は“普通”の恋愛と何も変わらない、、、、いや、“普通”って何なんだろう。自分はいつの間にか“普通”と言うものを決めつけていたのかもしれない。
この話題性はあまりにも難しく、正解がわからない。それでも一つわかることは、ジェイディンは固定された“普通”に苦しめられていたと言うこと。
学校ではゲイへの偏見により幾度となくいじめを受ける。作中で悩み悲しむ姿は本当に心が痛む。
“多様性”の考えは拡散されるべきだと心底思いました。

●同世代として。
もしも友達にジェイディンのような子がいたら、、、、、。
必ずしもみんながみんな受け入れてくれるかはわからない。それでも今作を見た自分は、改めてこれまでやこれからの言動について考えることができました。
日々の会話の中には死へ追いやってしまうものもあるかもしれない、、、、、“責任感”はいつにおいても絶対的に必要なんだと強く思いました。
ジェイディンのように息詰まって欲しくない、、、、見て見ぬ振りは絶対にしない。

●ジョー・ベルの心の変化。
息子に自分はゲイだとカミングアウトされる父。
ジェイディンを思い、偏見やいじめについて講演し、闘う姿からは自分の名誉のため、頑張っているという自分への言い訳のように感じられました。
物語中盤で明かされるジェイディンの死。ジョー・ベルが旅の中でジェイディンと話していたのは悲しさや虚無感故だったんだと、とても切なく思いました。
妻との電話中の「さっきまでジェイディンがいたんだ、、、それなのに急にいなくなって、、、。」と言うセリフは絶望や後悔が生々しく感じられて本当に苦しい。
さまざまな場所で講演し、ジェイディンを思い続ける、、、、。序盤と後半でのジョー・ベルの心境には大きな変化が感じられました。警官との会話での「あんたは俺のように後悔しないでくれ。」は全てが感じられました。
いつかの学校での講演、生徒たちの中に紛れたジェイディンは心なしか微笑んでいたようでした。

◉まとめ
この作品は、いじめや偏見による苦しみを講演するため、アメリカ横断をする1人の父親と息子を描いた実話作品です。
90分弱と、小さくまとめられている分物足りなく感じました。実話である以上、大きく変えられなくとも、もう少し家族間、夫婦間での生々しさが欲しかったです、、、。それでもやはりマーク・ウォールバーグの演技力は圧巻で、場面場面の緊張感はすごかったです。




こう言うシリアスな作品はレビューが一段と難しいなぁ、、、、、。
いじめは嫌だよ。
Harumakiさん

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