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ジョー・ベル ~心の旅~のharunomaのレビュー・感想・評価

ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)
2.5
この映画がA24予告編詐欺だと思うのは、
当のテーマそのものではなく、
幽霊問題を何の境界もなくやりすごしてしまうからだ。
放浪者の如く荒野を行く二人は、現代の問題を最優先させるのはいいとして、ほとんどネイティブ・アメリカンの死者の地を忘却するだろう。ある集合の中のマイノリティは、総体のそのさらに外部のマイノリティから見れば、マジョリティだ。どこまでも総体的な定量性で数え上げるのは馬鹿げているが、質的な差異はこの映画の移動、旅の瞬間(モーメント)にしかない。だからありえるとしたら、実話を捨て、生者としてホークスのバディを採用すべきだった。
途中で止め、『2ガンズ』を見ている。やはり最高である。
マーク・ウォルバーグはコメディとして強すぎる。しかし彼でなかったらこの『ジョー・ベル』はもっと見れたものではなかっただろうが、それにしてもこの浮ついた境界は、土地の名・土地をやはり忘却していく。ヨーロピアンリアリティはドランがフィクション化していけばいい。日本で配信スルーだったのは、マーケティングでも寛容の欠如でもなく、単につまらないからだ。
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