アレンさん

アムステルダムのアレンさんのレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
4.0
トボけた予告と有名俳優の大量投入に『お前、いつからウェス・アンダーソンになったんだ』と些か不満気に劇場に向かったら予想に反した骨太な映画で驚き。
戦争の傷を抱えた三人が市民社会に溶け込めない姿は帰還兵モノそのもので、
思い出の地をキーワードに、自分たちが戦いそして傷ついた意義を守るために立ち向かう姿も普遍的ながらジワジワと胸を熱くさせてくれる。
特質すべきはやはりクリスチャン・ベールか。
一見、奇人変人に見えるが、望まず向かった戦場で戦った意義を今でも信じて貫こうとする姿は終わる頃には尊いものに見えてくるので、そこはブレない愚直さを表現したクリスチャン・ベールの功績かなぁと。

また、話の本筋とはズレるけど監督の過去作である『世界にひとつのプレイブック』や『アメリカン・ハッスル』と共通してる点として、『一度は愛した妻への未練を手放す(新しい愛を選ぶ)』描写があるのは興味深い。

時代は流れても変わらないものと守らないといけないものはたしかに存在する事を再確認させてくれる個人的にはかなり満足度の高い作品でした