アムステルダムの作品情報・感想・評価

「アムステルダム」に投稿された感想・評価

デヴィッド・O・ラッセル監督の7年ぶりの新作は、ずばり「デヴィッド・O・ラッセルとぉ、ウェス・アンダーソンがぁ、1933年のニューヨークでぇ、出会ったぁ。(世界ダラダラ滞在記)」、またの名を「にっこり&ほっこり&もっさり版アメリカン・ハッスル」。IMAX劇場限定のQ&A付上映イベントで観賞しました。

撮影現場でのハラスメントなどが大きな問題となった監督にセカンド・チャンスを与えようと結集した豪華な俳優・スタッフ陣の思いに応える作品になったのか?正直「世界にひとつのプレイブック」や「アメリカン・ハッスル」と比較してしまうとかなり見劣りがする一方、ほっこりコメディ要素が監督の作品としては新鮮&やはり終盤のまとめ方はさすがで、鑑賞したことを後悔させない仕上がりになっていました。

第一次世界大戦中、任務地のフランスで出会った医師バート(クリスチャン・ベール)、看護師ヴァレリー(マーゴット・ロビー)、弁護士ハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)は、自由な気風のアムステルダムで友情を深めます。ところが、バートとハロルドは帰国後の1933年に、急死した知人の娘(テイラー・スウィフト)から検死の依頼をされたことがきっかけで、殺人の疑いをかけられます。そんな折ヴァレリーとも再会を果たし、何とか無実を証明しようと奮闘しますが...

シリアスな設定にそぐわぬキレイだけどやや非現実的・記号的な映像とおとぼけ音楽、どこか気の抜けた変人が次々と登場し、わりと無味乾燥にジョークを発しシュールな笑いを誘うこの感じ、完全にウェス・アンダーソンです。ただし、ウェス最大の特徴である絵本のような完成された映像美はないので過度な期待をしないようにお気をつけ遊ばせ。やたら下から顔をアップで撮るのが監督のマイブームっぽい。

とにかく気になったのがテンポが悪いこと。「アメリカン・ハッスル」と同じ監督が撮ったとはとても思えないもっさりダラっと感でややウンザリ気味。ミステリーなストーリーで緊張感があるのになんだかのっぺりした場面展開で、時々思い出したかのように笑いを入れてくる。

主演のクリスチャン・ベールに加え、クリス・ロック、マイク・マイヤーズなどコメディアンを起用、またラミ・マレックも頑張って笑いを取りにいっているのですが、皆様ジョークを畳みかけるわけではなく、ポツッ...ポツッ...と小爆弾が仕掛けられている感じで、コメディ、ミステリー、友情ドラマとどこに着地しようかふらつき迷子になってるシーンがひたすら続き場面毎のメリハリがない。

終盤の構図は「アメリカン・ハッスル」同様ではあるものの、意外な黒幕が明かされ事件が解決していく様は本作の方が面白かったし、主人公が人生の新たな一歩を歩む様は、「アメリカン・ハッスル」にはみられない"ほっこり"が際立っていてとても気持ちよく観終えることができました!

「アメリカン・ハッスル」では釣りの話でしたが、本作はバード・ウォッチングやったね。メッセージをちょっと色々詰め込み過ぎかなぁ。一つはトランプおよびその支持者批判なんだけど、議会襲撃事件、企業など金銭的利益優先の政治、そしてネオナチ的姿勢、プラウドボーイズ、リベラルの称賛等々、いろんな角度から攻めすぎて逆に説得力が落ちている。しかもどちらかというと映画のメインは愛や友情で、なんだか各種メッセージがお互いの印象を弱め合っていました。

個人的に一番がっかりしたのは音楽です。監督の今までの作品と異なり、印象に残るものは何もない。ウェス・アンダーソンっぽいおとぼけ風の可愛らしい劇伴の後に結構サントラなしの部分が目立ち、時々緊張感あるよ~演出の効果音が入る程度。時代設定も手伝って想起されるウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」と同じ曲も使われていましたが、比較するとホント本作は冴えない。

テイラー・スウィフトのファンの皆様!出演時間は短いですが素敵で演技もよかったですよ。なかなかのインパクトでした(笑)。ヒントは某映画の友情出演... ちょっとヒント出しすぎかな?冒頭なのでこれくらいは許してね。まぁでも特に監督のファンでなければ、劇場スル―でいいかもしれません。
スコア予想

ラミマレック、デニーロ卿の前に名前が載るんですね(˙-˙)すごい。

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